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Hollyland Pyro 7 Ultraは2026年9月4日に国内販売が始まった製品です。本記事は公式仕様に基づく購入前比較で、実際の到達距離、混雑環境での安定性、色精度、電池持ちは未検証です。
Pyro 7 Ultraは、7.02型モニター、映像送信機、受信機を一体化した撮影用ワイヤレスモニターです。従来のPyro 7から大きく変わったのは、単に画面が明るくなったことではありません。伝送距離は400mから1km、伝送遅延は約60msから20ms級、伝送映像は4K30から4K60へ拡張され、1台の送信機から接続できる受信側も4台から台数制限のない構成へ変わりました。
Pyro 7 UltraとPyro 7の具体的な違い
| 項目 | Pyro 7 Ultra | Pyro 7 | 現場への影響 |
|---|---|---|---|
| 画面 | 7.02型 QD-LCD | 7型液晶 | Ultraは量子ドット方式で色域を広げた |
| 解像度 | 1920×1200 | 1920×1200 | 表示画素数は同等で、Ultraの差は輝度と色管理 |
| 輝度 | 1500nit | 1200nit | 屋外で300nit分の余裕。ただし直射日光ではフードも重要 |
| 色域 | Rec.709 99%以上、DCI-P3 95%以上 | 公式仕様を購入時確認 | Ultraは撮影意図に近い色確認をしやすい |
| 色差 | ΔE≦1.5、工場校正 | 公式仕様を購入時確認 | 複数台で色を揃える判断材料になる |
| 最大伝送 | 1km | 400m | スポーツ、車両、広い会場で配置自由度が増す |
| 伝送遅延 | 20ms超 | 約60ms | フォーカス送りや動作確認でUltraが有利 |
| 伝送映像 | 最大4K60 | 最大4K30 | 60p収録現場でフレームを落とさず監視しやすい |
| 接続台数 | 1 TX+無制限RX | 1 TX+最大4 RX | 大人数の監督・照明・クライアント確認に対応 |
| 端子 | HDMI 2.0、3G-SDI入出力 | HDMI、3G-SDI | UltraはHDMI/SDIクロス変換に対応 |
| 重量 | 630g以下 | 約545g | カメラ上では旧型が軽く、Ultraはスタンド運用向き |
1500nitと色精度は何に効く?
Ultraの1500nitは従来型より25%高い数値です。晴天の屋外で波形・フォーカスピーキング・顔の露出を確認するときに余裕が出ます。ただし輝度を最大にすると消費電力と発熱が増えるため、屋内で常時最大にする必要はありません。色はDCI-P3 95%以上、Rec.709 99%以上、ΔE≦1.5と明示され、Calmanによる工場校正を受けます。これは現場の判断用モニターとして重要ですが、最終グレーディング用の基準器を完全に置き換える意味ではありません。
1km・20ms・4K60をどう評価するか
1kmは遮蔽物の少ない見通し環境での最大値です。壁、観客、Wi-Fi、金属構造物がある会場では短くなります。2.4GHzと5GHzを同期利用するTWiFiと周波数ホッピングは混雑回避に有効ですが、必ず1km届く保証ではありません。20msは60fps換算で約1.2フレームです。従来の60msは約3.6フレームなので、人物の動きと画面表示のずれはUltraのほうが小さくなります。フォーカスプラーが無線映像だけを見て追う現場では、この差が操作の遅れに直結します。
電源・端子・運用上の注意
電源は10〜28VのDC入力またはVマウントバッテリーで、送信時最大25W、受信時最大20Wです。NP-FではなくVマウント運用を前提にする点は、小型ミラーレスのリグでは重量増につながります。HDMIは4K60の入出力に対応しますが、3G-SDIは規格上1080p60までです。SDIカメラを接続しただけで4K60のSDI伝送になるわけではありません。3.5mmヘッドホン、USB-C 2.0、SDカードスロット、1/4インチねじ穴も備えます。
競合と比べた位置づけ
Atomos Ninja Ultraのような製品は高品質収録とモニタリングが中心で、長距離無線には別送受信機が必要です。Teradek Bolt系は低遅延・堅牢な映像伝送で定評がありますが、モニター一体型ではなくシステム価格も上がりやすい傾向です。Pyro 7 Ultraは、1500nitモニター、TX/RX、HDMI/SDI変換を1台へまとめ、配線と機材点数を減らすところに価値があります。逆に既に基準モニターと無線送受信機を所有する現場では、入れ替え効果を慎重に見積もるべきです。
おすすめできる人・見送ってよい人
- 4K60で撮影し、監督・フォーカス・クライアントへ複数配信したい
- 屋外で1200nitでは不足し、1500nitと広色域が必要
- 400mや60msが現場の制約になっている
- HDMIとSDIの混在を1台で整理したい
小規模な室内撮影、受信先が1〜2台、4K30で足りる、カメラ上の軽さを優先するならPyro 7のほうが費用対効果は高い可能性があります。また「無制限RX」でも帯域、地域の電波規制、受信側機器の費用は別問題です。
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まとめ
Pyro 7 Ultraは、Pyro 7の画面を少し改善した製品ではなく、400m・60ms・4K30・4受信から、1km・20ms級・4K60・受信数拡張へ踏み込んだ業務向け更新です。1500nit、DCI-P3 95%、ΔE≦1.5も屋外と色判断を補強します。その代わり630g以下、最大25W、Vマウント中心という負担があります。撮影距離、必要な受信人数、フレームレートを先に決めると、Ultraへ払う理由が明確になります。


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