ORICO 20-in-1 USB-Cドッキングステーションは、映像出力4系統、USB端子8基、カードリーダー、LAN、オーディオを1台へ集約しながら、通常価格16,980円に抑えた多端子モデルです。Windows PCで多数の周辺機器と複数画面をまとめたい人には有力ですが、ノートPCへの給電は最大60W、電源アダプターと接続ケーブルは別売りです。macOSでは外部画面の拡張に制約があるため、端子数だけで選ぶと目的を満たせない可能性があります。
結論からいうと、価格を抑えてWindowsの多画面環境を作るならORICO、Thunderbolt 4の40Gbps転送・98W給電・2.5GbEを重視するならCalDigit TS4、MacBookを含めDisplayLinkで最大3画面を構成し、最大140W給電も欲しいならAnker Prime A83B3が選びやすいです。本記事はメーカー発表、公式製品情報、正規販売ページを基にした購入ガイドであり、筆者による実機速度・温度・安定性の測定レビューではありません。
ORICO 20-in-1ドックの結論
- おすすめ:WindowsノートPCでHDMI・DisplayPort・VGAを使い分け、USB機器や音声機器もまとめたい人
- 注意:60W給電で不足する高性能ノートPC、Thunderbolt機器、2.5GbE環境を活用したい人
- Macユーザー:公式案内では拡張モードの外部モニターは1台。4画面という見出しだけで選ばない
ORICOの価値は、20ポートすべてが最高速という点ではなく、映像・USB・カード・LAN・音声という種類の多さです。USB-Aのうち3基は5Gbps、別の3基はUSB 2.0なので、外付けSSDとキーボードを同じ端子へ無造作に割り当てるのではなく、速度が必要な機器を見分けて接続する必要があります。
ORICOの型番・価格・20ポート構成
| 項目 | ORICO 20-in-1 |
|---|---|
| 確認できた型番 | ORICO-DKA20-V1-JP-BK-EP |
| 発表日 | 2026年9月9日 |
| 発表時通常価格 | 16,980円 |
| 映像出力 | HDMI×1、DisplayPort×2、VGA×1 |
| 高速USB-C | USB 3.2 Gen 2×2(最大10Gbps) |
| USB-A | USB 3.0×3(最大5Gbps)、USB 2.0×3 |
| カード | SD、TF(microSD) |
| ネットワーク | ギガビットEthernet |
| オーディオ | 3端子、ボリュームコントロール |
| 電源 | 90W入力、ノートPCへ最大60W |
| 電源アダプター/ケーブル | 別売り |
主役:ORICO 20-in-1 USB-Cドッキングステーション
型番 ORICO-DKA20-V1-JP-BK-EP
ORICOの特徴を具体的に確認
HDMI・DP・VGAの4系統を備える
映像端子はHDMIが1基、DisplayPortが2基、VGAが1基です。新旧のモニターを混在させるデスクや、会議室のVGAプロジェクターを残している環境では、変換アダプターを減らせることが利点です。一方、4端子があることと、接続したPCから4台へ別々の画面を常に表示できることは同義ではありません。解像度、リフレッシュレート、同時出力数はPC側のUSB-C端子、GPU、OSに左右されます。
特にmacOSについて、メーカーはマルチスクリーン非対応で、拡張モードは外部モニター1台のみと案内しています。MacBookの画面を増やす目的なら、後述するDisplayLink対応のAnker A83B3、またはMacのチップ別対応台数を明記したThunderboltドックを検討すべきです。
10Gbps端子とUSB 2.0端子を使い分ける
USB-C 3.2 Gen 2の2基は最大10Gbpsで、対応する外付けSSDやカードリーダー向けです。USB-Aは5Gbpsが3基、USB 2.0が3基です。マウス、キーボード、USBレシーバー、プリンターはUSB 2.0側へ、ストレージやキャプチャー機器は高速側へ振り分けると、端子構成を生かせます。すべての機器が1本のホスト接続帯域を共有するため、複数SSDの同時転送で各端子の理論値が同時に出るとは限りません。
60W給電は一般的なモバイルPC向け
電源入力は90W、PCへのパススルー給電は最大60Wです。一般的な薄型ノートPCには実用的ですが、100W以上を要求するクリエイターPCやゲーミングノートでは、負荷時に充電が追い付かない可能性があります。メーカーは65W以上のアダプターを推奨し、全機能を使う場合は90Wが必要と案内しています。しかもアダプターとケーブルは別売りなので、手元に対応品がなければ総額と配線は増えます。
1GbEとSD・TFは十分か
LANは1GbEです。一般的なインターネット回線や事務用途には十分ですが、2.5GbE NASから大容量動画を頻繁に扱う用途ではCalDigit TS4やAnker A83B3が有利です。SDとTFスロットは搭載されますが、公式発表ではUHS-IIなどの速度規格が明記されていません。高速カードの性能を確実に引き出すことを優先するなら、UHS-IIを明記するTS4のほうが判断しやすいです。
ORICO・CalDigit TS4・Anker Prime A83B3を比較
| 項目 | ORICO 20-in-1 | CalDigit TS4 | Anker Prime A83B3 |
|---|---|---|---|
| 接続規格 | USB-C | Thunderbolt 4/USB4、USB-C互換 | USB-C、DisplayLink |
| ポート数 | 20 | 18 | 14 |
| PC給電 | 最大60W | 最大98W | アップストリーム最大140W |
| 最大データ速度 | 10Gbps | 40Gbps(Thunderbolt 4) | USB-C最大10Gbps |
| 有線LAN | 1GbE | 2.5GbE | 2.5GbE |
| 画面端子 | HDMI×1、DP×2、VGA×1 | DP 1.4×1、Thunderbolt経由 | HDMI 2.1×2、DP 1.4×1 |
| 画面の特徴 | Windowsで最大4台、Mac拡張は外部1台 | ホスト対応時に単一8Kまたは複数画面 | DisplayLinkで最大3画面、単一最大8K |
| カード | SD、TF | SD・microSD UHS-II | SD、microSD |
| 電源 | アダプター別売り | 230W電源付属 | GaN電源内蔵、電源コード付属 |
| 確認価格 | 発表時16,980円 | 販売価格は各店で確認 | 通常価格39,990円 |
CalDigit TS4:速度と給電、NAS接続を優先する人向け
CalDigit TS4は18ポートのThunderbolt 4ドックです。3基のThunderbolt 4、10Gbps対応USB-C×3、10Gbps対応USB-A×5、DisplayPort 1.4、SD・microSD UHS-II、2.5GbE、3系統の音声端子を搭載します。ホスト給電は最大98Wで、230W電源と0.8m Thunderbolt 4ケーブルが付属します。ORICOより購入価格は大幅に高くなりますが、高速外付けSSD、Thunderbolt機器、2.5GbE NASを併用する環境では、ポート数だけでは表れない帯域と付属品の差があります。
表示台数はホストPCによって変わります。公式情報ではWindowsで単一8Kまたはデュアル4K 60Hz、対応するApple Pro/Max系チップではデュアル表示が可能な構成がありますが、ベースモデルの一部Apple Silicon Macは外部1画面に制限されます。TS4を選べばすべてのMacで2画面になるわけではないため、自分のMacのチップと世代を確認する必要があります。
比較対象:CalDigit Thunderbolt Station 4
型番 TS4-JP-AMZ
Anker Prime A83B3:Macを含む3画面と140W給電を重視
Anker Prime A83B3は14-in-1のDisplayLink対応ドックです。HDMI 2.1×2とDisplayPort 1.4×1を備え、DisplayLinkアプリを導入することでMacBookとWindowsノートPCの両方で最大3画面出力に対応します。単一画面は最大8K、2画面は最大4Kと案内されています。OS標準の映像出力だけで使う製品ではなく、DisplayLinkソフトの導入、対応OS、著作権保護された映像サービスとの相性を事前に確認すべき製品です。
上流USB-Cは最大140W、前面には最大100W・10Gbps対応USB-Cが2基、最大100W・5Gbps対応USB-Cが1基あります。2.5GbE、SD、microSD、HDMI 2.1×2、DP 1.4も搭載。GaN電源を本体へ内蔵するため、ORICOのように別売りアダプターを追加する必要はありません。本体は約195×92×47mm、約834gで、机上に据え置いて使う前提のサイズです。常時温度管理ActiveShield 3.0と冷却ファン、本体情報を表示するディスプレイも備えます。
比較対象:Anker Prime ドッキングステーション
型番 A83B3
3製品の選び分け
ORICOがおすすめの人
- Windows PCでHDMI・DP・VGAを含む多数の端子が必要
- 外付けSSDは10Gbpsで足り、Thunderbolt機器を使わない
- 60W給電で足りるPCと対応アダプターをすでに持っている
- 価格を抑えながらUSB、音声、カード、LANを一括接続したい
CalDigit TS4がおすすめの人
- Thunderbolt 4の40Gbps帯域を必要とする
- 2.5GbE NASやUHS-IIカードを使う
- 最大98WでノートPCを給電したい
- 高価でも、230W電源とThunderboltケーブルを含む完成度を優先する
Anker Prime A83B3がおすすめの人
- DisplayLinkを使ってMacBookを含む最大3画面を構成したい
- 最大140W給電が必要な高性能ノートPCを使う
- GaN電源内蔵でACアダプターを別置きしたくない
- ポートの状態を本体ディスプレイで確認したい
見送ったほうがよいケース
ORICOはMacで複数の拡張デスクトップを作りたい人、60Wを超える給電が必要な人、Thunderboltストレージを使う人には合いません。TS4はUSB-CポートしかないPCでも一部機能を使えますが、Thunderbolt 4の価値を生かせない構成では価格差が大きくなります。Anker A83B3はDisplayLinkアプリを導入できない管理端末や、ドライバーに依存しない映像出力を優先する人には慎重な検討が必要です。
価格と在庫を確認する
販売価格、ポイント、在庫、付属品は店舗ごとに変わります。ORICOでは電源アダプターとケーブルが別売りである点を含めて総額を比較してください。
ORICO 20-in-1
CalDigit TS4
Anker Prime A83B3
購入前に確認したい注意点
PCのUSB-C端子が映像出力へ対応しているか
USB-Cの形状が同じでも、DisplayPort Alt Mode、USB4、Thunderboltへの対応はPCごとに違います。ORICOで映像出力を使う場合は、PC側端子の映像出力対応を仕様表で確認してください。TS4はThunderbolt接続で最大性能を発揮し、A83B3の複数画面にはDisplayLinkアプリが必要です。
4Kと画面数だけで決めない
解像度と同時表示数が増えるほど、ホストPC、ケーブル、モニター、OSの条件が複雑になります。4K 60Hzを何台へ出せるか、HDRや可変リフレッシュレートを使えるかは別問題です。ゲーム用途では、DisplayLink経由の映像よりGPUからモニターへ直接接続するほうが遅延や対応機能の面で適する場合があります。
電源と付属品を総額へ含める
ORICOは本体価格が低い一方、90W級の対応電源とケーブルが別途必要です。TS4は230W電源とThunderbolt 4ケーブル、Ankerは内蔵GaN電源用コードとUSB-Cケーブルが付属します。すでに電源を持っているか、机上のACアダプターを減らしたいかまで含めて比較すると、単純な本体価格差とは異なる結論になります。
楽天の販売店と保証条件を確認する
今回の楽天リンクは、ORICOとCalDigitがメーカー直販以外の店舗、Ankerが公式楽天市場店です。並行輸入品か国内正規品か、型番、保証期間、返品条件、同梱品を注文画面で確認してください。価格やポイントだけでなく、故障時の窓口も購入判断に含めるべきです。
よくある質問
ORICOはMacBookで外部4画面にできますか?
メーカーはmacOSの拡張モードを外部モニター1台までと案内しています。Macで3画面を構成したい場合は、DisplayLink対応のAnker A83B3などを検討し、対応OSとアプリ要件を確認してください。
ORICOへ90Wを入力するとPCへ90W給電できますか?
できません。入力は90Wですが、PCへのパススルー給電は最大60Wです。ドック自体と接続機器が電力を使うため、入力値とPC給電値は同じではありません。
ポート数が20のORICOはTS4より高速ですか?
ポート数と速度は別です。ORICOの高速データ端子は最大10Gbpsで、TS4はThunderbolt 4で最大40Gbps、2.5GbEとUHS-IIカードリーダーも備えます。多数の低帯域機器ならORICO、高速ストレージやNASならTS4が向きます。
Anker A83B3はドライバーなしで3画面にできますか?
正規販売ページでは、外部画面出力にDisplayLinkアプリが必要と案内されています。会社支給PCなどアプリを追加できない環境では、導入前に管理者へ確認してください。
まとめ:端子数、接続規格、画面方式で選ぶ
ORICO 20-in-1は、16,980円の価格帯でHDMI、DP、VGA、8基のUSB、カード、1GbE、音声をまとめることが最大の強みです。Windowsで多種類の端子を安価に増やすなら有力ですが、給電は60W、Macの拡張表示は外部1台、電源とケーブルは別売りです。
CalDigit TS4は40Gbps、98W給電、2.5GbE、UHS-IIを重視するプロ向け。Anker A83B3はDisplayLinkによる最大3画面、140W給電、電源内蔵を重視する人向けです。必要な画面数だけでなく、PC側規格、給電量、ネットワーク速度、アプリ導入可否を確認して選びましょう。
ORICO 20-in-1
CalDigit TS4
Anker Prime A83B3
参考:ORICO国内発表、CalDigit TS4公式製品情報、Anker公式楽天市場店 A83B3製品情報(2026年9月10日確認)。価格、在庫、キャンペーンは確認時点から変更される場合があります。





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